誤解のないように書くと、イケメンはシステム開発を主力事業にしている。それでも「エンジニアを採用していない」と言う。言語の習得を入社要件に置いていない、という意味だ。

プログラミングの言語を学ぶとかも一切なくて、とにかくAIと会話するだけ。AIとひたすら会話をするみたいな感じが、うちの仕事です。

沼倉 隆平(代表取締役)/候補者との面談にて

01同時に4〜6本、走らせている

開発の主軸はAIのコマンドライン環境と、ブラウザ操作を担うAIの組み合わせだ。特徴的なのは、1本ずつ進めないこと。

基本1回で走らせる平均時間が10分以上あって。同時に4つとか5つ開発をやっていると、普通に追いつかないんで。とにかく細かくチェックさせるというのを、ひたすらぶん回している感じです。

社内全体技術定例より

AIが実装している間、人は別の案件のレビューをしている。ブラウザで実際に動かして確認するのもAIに任せ、その間にまた次を書かせる。「並列でチェックと実装ができる」状態を、意図的につくっている。

02人が頭を使うのは「使用感」

では人間の仕事は何か。現場のメンバーは、こう言語化している。

なんかこのデザイン気持ち悪いなとか、人間が使ってみての使用感ですよね。お客さんが希望のものって、こういう設計で組んでるじゃないですか、って考えてイメージして。

社内全体技術定例より

代表も同じ線を引く。「意思決定は絶対にAIがやらない」「現場を経験している人間の脳にしか溜まらない情報は、絶対に機械には置き換わらない」「発想力、掛け算みたいなものもAIは無理。ないものを作る系は、しばらく難しいと思います」。

03品質は、仕組みで担保する

未経験者が中心の組織で品質をどう保つか。答えは根性ではなく、規定運用として明文化されている。

  • レビュー修正ループ ——「レビューして修正してを、100点になるまで繰り返させる」。規定として「サブエージェント並列とレビュー修正ループを、90〜95点以上まで必ずやること」が定められている
  • AIによる自己攻撃 ——「このページを天才ハッカーの目線で攻撃シミュレーションしまくって」と指示し、複数のサブエージェントで同時に攻撃をかけてから納品する
  • 三段レビュー —— 担当者のAI自己検証 → PMによるレビュー → 外部のシニアエンジニアによるコードレビュー
  • セキュリティ領域は外部に委託 —— 専門性が要る部分は、社外の専門チームに出している

見積もりの出し方にも作法がある。AIが出した工数をそのまま顧客に伝えない。会議の中で「2、3割は伸びるかと」という現場の実感を受けて、「じゃあ掛ける1.3から1.5ぐらいで言えばいいと思います」とその場でルール化された。

04「泥団子を大きくする」

開発の進め方を表す社内の共通語がある。いきなり完成形を狙わず、小さく動くものを育てていく、という意味だ。

本当にもう、泥団子を大きくする作業みたいなことをやらなきゃいけない。いきなりでっかいのをバンってやろうとすると、結構崩れる。

社内技術定例より

同じ思想が、仕事の渡し方にも効いている。「とにかく抽象度の高い仕事を与えないようにするというのが鉄則ですね」——新しく入った人に大きな塊をそのまま渡さない、という運用になっている。

実際、自社ツールのひとつは「最初は300万円ぐらいの機能から始まって、そこから自分で活用して業務を繰り返していく上で『あ、これ足りないわ』と足していって」拡張され続け、数千万円規模の製品になった。作りながら育てるやり方が、そのまま製品化につながった例だ。

05手作業を見つけたら、止まる

技術定例で繰り返される号令がある。

やってる作業でポチポチが多い人は、ちょっと一回立ち止まってもらって、そのポチポチもこいつ系でできないかっていうのを確認してもらってやってほしいなって感じです。

社内全体技術定例より

この方針は徹底されていて、デプロイ設定の変更、リポジトリの作成、データベースの操作といった「画面をクリックして済ませていた作業」を、順次コマンドとAPIに置き換えている。理由はシンプルで、同時に何本も開発を回すなら手作業では追いつかないからだ。

そして、その日に得た知見はその場で共有される。技術定例を始めた理由も明快だ。

なんで、過去に言ったことがあるかもしれないことも言ってほしいかというと、これがナレッジとして残るので。あとで僕らが新入社員に見せるカリキュラムに、どんどん新しい技術を付け足していけるんで。

社内全体技術定例より

06実際に作っているもの

  • 板金加工会社の図面管理・見積システム —— メール・FAX・LINEでバラバラに届く図面を集約し、画像認識で自動製図。材料をネットで検索し、面積単価から見積もりまで自動生成する
  • 社内ナレッジ検索AI —— 複数のチャットツールに散らばった履歴・議事録・ファイルを1つに集約し、出典付きで回答する
  • AI議事録ツール —— 会議をアクションアイテムまで分解し、顧客管理シートへ自動起票する
  • 人材紹介会社のマッチング自動化 —— 1日4万通のメールを人が読んでいた業務を置き換えた
  • 経営者マッチングのWebサービス —— カレンダー連携から議事録の自動参加、双方向のAI分析まで、未経験入社のメンバーがほぼ一人で作り切った

最後の例について、代表が会議で漏らした感想が残っている。「これ、できる業者いないですね、他に」。

自分が作ったものがお金に変わる瞬間って、すごい気持ちいいんで。それはすごい、やりがいあると思います。

沼倉 隆平(代表取締役)

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選考ではなく、まず面談から。挫折の経験がある方ほど、一度お話ししたいと思っています。

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